「講座を受けて気づきを得る→おっくう感が改善」の好循環
また、プログラムには患者さんが自分で、うつ病について学べる「うつ病講座」や「生活習慣講座」のほか、自分で自分を守るための「セルフケア」に関する講義などもあります。
Aさんも、うつ病講座テキスト、生活習慣講座などをプログラムで学んでいくうちに「会社に行くと、うつの症状が出てしまう自分」に気づき、「身体の症状もストレスと関連があるのではないか」と語るようになりました。
趣味のバンド活動によって夜型になっていたAさんの生活も、リワークに通所することで自然と朝型に切り替わり、朝のおっくう感は軽減し、心身の調子も改善してきます。
「リズムが整うと、こんなに朝起きるのが楽なんだ、ということが初めてわかりました」と笑顔で報告し、自らの取り組みによって、調子が良くなったという体験をすることで徐々に自信をつけ、医療リワークに通所すること自体に苦痛を感じることはなくなった様子でした。
そして、一定のルールのもとに集団で協働するという体験を続けていくことで、「集団の中での自分や、組織の中の自分を意識できるようになってきた」とも話します。
さらに「自分で自分の体調をケアする方法(セルフケア)を学ぶこと」や、参加者同士がディスカッションをして様々な職業のメンバーとの意見交換を通して「自分のキャリアを真剣に考える機会となった」「働くということについて、改めて考えさせられた」という言葉が聞かれるようになりました。
Aさんは医療リワーク終了時に
- このプログラムに参加して、コミュニケーションとは一方的なものではなく、双方向のもであることに気づいた
- 過去と他人は変わらない。だから、自分が工夫していく必要がある
- 社会人としての自分の態度にも問題があったかもしれない。ほかのメンバーやスタッフに言われて気づいた
- 他人に対してイライラしやすいのは、自分の側にある「考え方のクセ」による影響なのかもしれない
などと振り返って話し、プログラム参加前の様子とは一変して、表情も明るく変わっていました。