適応障害(適応反応症)と診断され休職 医療リワークを利用して復職へ

国内200カ所以上で医療リワークを受けられる

 医療リワークは現在、国内200カ所の医療機関で受けることができます(日本うつ病リワーク協会)。地域や施設の規模などによってプログラムの内容は多少違いますが、中心には共通の考え方があります。

 それが次の「基本の3つのステップ」です。

1. 集団に慣れる、生活を整える、病気を学ぶ

 症状や悩みなどを理解し合える同病の仲間と出会い、癒やしを得る一方で、集団に慣れ、コミュニケーション感覚を取り戻します。生活を規則正しく整えて、前向きに病気から立ち直ろうと、自分の病気について学ぶことが最初の一歩です。

2. なぜ、自分は休職に至ったかという自己分析により、自己の課題を明確にする

 自分がうつを発症したときと、全く同じ環境・状況に置かれても、すべての人がうつを発症するわけではありません。ストレスに感じることは人によって違い、対処方法も異なります。ではなぜ、自分は休職に至ったのか。この理由を考えます。
 自分のものの考え方や、困った状況での対処方法などの特徴を探ると、そこには自分の課題が隠れています。自分の課題が分かって初めて、再休職しないための対処方法を考えることができるようになります。

3. 心理プログラム、集団プログラムによって対人関係能力を改善する

 医療リワークでは、さまざまなプログラムが行われます。自分の状態を知り、管理するためのセルフマネジメント方法やストレス対処法、モチベーションの維持方法、コミュニケーションスキル、認知行動療法などの心理プログラムなど、いわば自分自身を守るためのスキルを学び、それらを身につけるためのプログラムです。
 集団で行うプログラムの中では、さまざまな人間関係が生まれます。そうした人間関係の中で学んだスキルを、復職後の自分の課題に生かせるように確実な対処方法を身に着けていきます。

(まとめ:福井弘枝=編集・ライター)

出典:「日経Gooday」2023年12月27日掲載
https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/20/111600039/122000031/
日経BPの了承を得て掲載しています

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