自分にとっての「ストレスの原因=ストレッサー」は何か?
私たちが日常の中でストレスを感じる場面はいろいろあります。でも、何にストレスを感じるかは人によって違います。
例えばAさんは「大勢の人の前で話をすること」に強いストレスを感じるけれど、Bさんは、逆に「大勢の人の前で話すことが得意」。一方で、Bさんは「細かい作業」にストレスを感じるけれど、Aさんは「細かい作業を丁寧にきっちり仕上げることが好き」なのでストレスをあまり感じない、という具合です。
自分がどういう状況、どういう相手、どういう出来事にストレスを感じるか。自分を取り巻く環境の中で、ストレスの原因となっているものは何か。この「ストレスの原因」を「ストレッサー」といいます。まずは、自分にとっての「ストレッサー」を把握することがストレス対策の第一歩です。
ストレッサーは一つとは限りません。仕事の状況や職場の人間関係、苦手な上司や同僚、ウマの合わないご近所さん、自身の健康状態、家族の状況など…。「これだ」と思うものをどんどん挙げて、書き出してみましょう。
どういう「ストレス反応」が表れるかモニタリング(観察)する
「何が自分のストレッサーなのか」に気づいたら、次に、それらが過去に自分の心と身体にどんな反応や影響を引き起こしたかを思い出してみましょう。
例えば「気分が重くなる」「イライラする」「不安になる」といった、心の反応と、「胃が痛くなる」「息苦しくなる」「動悸(どうき)がする」などの身体の反応があります。
ストレッサー(ストレスの原因)によって表れる、こうした心身の反応を「ストレス反応」といいます。
これもまた、どういう反応が表れるかは人によって、さまざまです。自分にどんな反応があったか、「自分のストレス体験」に気づくと、また同じ反応が表れたときに、それがストレス性の反応だとわかります。
「ストレッサー(原因)」と「ストレス反応(結果)」、この2つはあらゆるストレス体験で必ず、セットになっています。そして、自分がストレスを感じることが多い「原因」と、それによって自分にどういう反応が表れるかという「結果」を把握することで、自分自身の特徴をつかむことができます。
そして、日常生活の中で「あ、いま自分はストレスを受けているな」と気づいたら、まずは、その原因=ストレッサーが何なのか。そのストレスによって自分にどんな反応=ストレス反応が表れているかを観察しましょう。
こうして観察することをモニタリングといいます。
ストレスを感じたら、まず、自分にとってのストレッサー(原因)と自分に表れたストレス反応(結果)を観察(モニタリング)します。そしてこれらを頭の中に記憶しておくか、あるいはメモ帳などに記録しておくことをお勧めします。
ではここからは、ストレスに対処するための「コーピング(=意図的に行う自分助け)」について具体的にお伝えしていきます。